左は生薬そのもの、右は煎じてパック詰めにしたもの。うちでは薬局から宅配しています。 |
煎じ薬というのは、あくまでも薬ですので決しておいしいものではありません。
中国人のお子さんはこの味になれていることが多いので、注射を打つよりも生薬の方がいいというぐらいで、服用に苦労することはあまりないのですが、日本人のお子さんはやはり少し勇気がいるようです。でも、たいていは慣れてきて大丈夫になります。
なんでも食べやすく、飲みやすくしてしまう昨今ですから、オリジナルの味を体験することは減ってしまったように思います。たとえば、風邪薬につかう板蘭根系の粉薬など、驚くほど甘ったるい。板蘭根そのものはものすごく苦いのに。
煎じ薬はまさしくオリジナルの味です。
生薬や煎じ薬もれっきとした薬ですから、ある程度の苦さは仕方がありませんが、でもその苦さを幾分解消できる方法もあります。今回はすこしご紹介します。
苦いということで、蜂蜜や砂糖をいれる場合も、ないことはないのですが、そうすると生薬全体の効能が変わってしまうのであまりおすすめできません。
白砂糖・黒砂糖・氷砂糖などいずれも甘くすることができますが、中医学的な効能は違ってきます。冷やす・温めるのバランスが大切な中医学の処方では、この糖分の使い方も難しいのです。
しかし、もともと甘めの味をした生薬もありますし、この時期に私も処方する
膏方のように、甘く味付けしてしまうものもあります。よって使い方は様々です。しかし、普通の煎じ薬に後から砂糖類をいれてしまうのは、やはり問題です。
よって、医師がどの程度飲みやすい生薬を処方できるか?というのもある意味、一種の生薬配合の技であるともいえます。また、同じアジア人でも日本人の場合、中国人と比較しても、量を少なめにする配慮は必要です。中国人とは生薬に対する体質が違うように思います。しかし、効能を引き出すために、苦めの薬を使わざるおえないということもしばしばです。
となると、もう一つの工夫は服用するときの温度です。煎じ薬は一般的に適度に温めた状態で服用します。では、どの程度温めたらいいのか?これも諸説がありますが、自分の体温の範囲よりも多少ずらした温度がいい、というのが定説です。
仮に人の体温を36~37℃程度とするならば、その範囲内の温度なら人間はかなり敏感に味を感じることができますが、熱くしたり、多少ぬるめにすると味に対する感度が多少落ちてしまいます。 高熱があるとき、味の感覚が落ちてしまうのも、体温の上昇と味覚との関係で説明がつきます。溶けたアイスクリームを食べると、極端に甘いと感じることがありますが、それも同じ理由でしょうね。
となると、20~30℃ぐらいに多少低めにして服用するか、37℃以上にして多少熱めにするか、どちらかがいいということになります。さっと一気に服用する場合は、多少低めにするのがいいということになります。
ただし、冷蔵庫にいれていたものを直接服用するのはやめましょう。体を人工的に冷やしてしまうことになります。常温+αぐらいが理想です。
そして、飲み方のコツですが、煎じ薬の1回の服用量は、大人の場合で100~150CC、子供の場合で50CCなので、一気に服用できる量だとは思います。あまりチビチビしないのもポイントです。
滅多にありませんが、慣れなければ苦すぎてムカムカしてしまうこともまれにあります。そんなときは、スライスしたショウガを口に含んで噛んでみてください。これもかなり効果的です。
とまあ、いろいろ書きましたが、そこまで恐れるほど苦いモノではありません。私も自分で処方して自分で煎じて服用することがありますが、ちゃんと問題なく飲めていますからご安心ください。
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上海は温度調節が難しい。今日も強い風がブンブン吹いています。