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プロフィール


山之内 淳
(本名:藤田 康介)
74年大阪市生まれ。カナダ、三重、奈良、英国、上海育ち。県立奈良高校卒。上海中医薬学大学卒業、同大学院修了、医学博士、医師(中医学)。96年から上海。専門は漢方・中医内科。博士論文は、小児ネフローゼの中医治療を研究。
 奈良高校在学中に「冬虫夏草」と出う。そこから中医学・漢方に興味をもち上海へ。中国政府国費留学生として大学(中国人大班)・大学院、付属竜華医院、徐匯区中心医院と中医学の臨床研究・研修を続ける。2005年に中国の医師免許(中医学)を取得。上海市衛生局登録医師。上海に念願の新居も構えた。妻は上海人。2008年10月に第一子誕生。日本人では初めて中国の大学で中医学を学部から博士課程まで修了。趣味は中医学と、田舎。上海の街を散策し上海の新聞を読むこと。
・中医学・漢方ブログ我が愛しの上海へⅡへはこちらから。

上海鼎瀚(ていかん)中医クリニック医師
世界中医薬学会聯合会腎病委員会 理事
日本温泉学会会員
上海奈良県人会の幹事

【過去に執筆したもの】
「中医沙龍」
特集記事
・柴田書店 月刊『食堂』2年間連載
標準『中医内科学』
・東洋学術出版社 季刊『中医臨床』など
『細水長流』藤田康介公式HP
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【筆者連絡メール】
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・大阪の漢方緑川クリニック

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2012年05月14日 ネズミの子供たち
最近、上海の天気は雨が降ったり、曇ったりとさえません。今日もまた然りで、ぜんぜんすっきりとしません。ただ、世紀公園と、そこまでにいくプロムナードはいい感じになってきています。緑がますます新鮮感を出していると思います。

 今日はまったく趣味の世界の話です。


 さて、我が家のネズミ。ついに、子供を5匹産みました。ネズミの寿命は2年程度なのですが、そのうち1ヶ月は授乳期です。寿命からすると、長いような気がするのですが、まだ肉色の赤ちゃんが、おがくずのなかにいました。

 ネズミ系の飼育は馴れたものです。昔、中医薬大学の大学院で研究していたときも上海科学院の実験棟で、何百匹とネズミを飼育しておりました。生薬を服用させて、その効果を確認するというものです。

 雄と雌を飼育して数週間ほどで、子供が出て来たことになります。「ねずみ算」ともいいますが、確かにどんどん増えてきますよね。ちなみに、雄と雌は、同時に飼育していたときは、しばらく仲がよかったのですが、その後、(後尾のあとかと推測しているのですが)だんだんと仲が悪くなり、当初は雌より雄のほうが強かったのだ、最終的には雌が雄を襲うようになり、雄が出血する惨事に。共食いの危険性がでてきたので、別々に飼育しました。そして、しばらくして子供が生まれてきました。


 生命の誕生とは、不思議なものです。なにもないところから、5つもの生命が、しかも急に宿るわけですから。娘もビックリしていました。(ちなみにうさぎは上手く飼えば10年ほど活きると養殖業者から聞きました。)


 さらに、最近、妻が淘宝で買って来たキノコの素から、キノコが続々と生えてきました。これも食用だそうです。野菜だけでなく、キノコ類も自分で栽培してしまおうというキットです。

 春から夏にかけてのシーズンは、中医学でも陽気が一気に盛んになる時期。池のおたまじゃくしもどんどん大きくなってきています。カメも食欲旺盛。いろいろなものの生命の動きを感じている今日この頃です。


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2012年05月13日 上海で発生した狂犬病死者について
 中国は、世界でもインドに続いて狂犬病が多いエリアで、毎年数千人が死亡しています。上海でも例外ではありません。

 日本ではほとんど耳にしない狂犬病による死者ですが、上海では毎年犬に噛まれて死者が出ていますので、野良犬に対しては十分に注意が必要ですし、子供にはできる限り狂犬病の予防接種を行う必要があるかと思います。致死率がほぼ100%という怖い病気ですが、発病率が低いので犬に噛まれたら、必ずしも発病するというわけではありません。また、すべての犬が狂犬病をもっているわけでもありません。しかし、犬(猫)などの動物に噛まれないように、とくに子供には注意してください。


 さて、上海でも5月に入って狂犬病による死者が1例出ました。

 事件があったのは、上海市崇明島で、4月20日の明け方ごろ、庭に犬の声がしたため、泥棒がきたかと思った住民が外に出ようと棒をもってドアをあけると、体重20キロほどの犬がおり噛まれてしまいました。この住民の家では、羊が犬に噛まれており、数日後に狂犬病と思われる症状で死んでいます。

 さらに、犬は島の東側に移動し、この日の午前中に、家事をしていた男性が噛まれる事件が。ここでも人が犬に襲われました。4月21日午前には、66歳の男性が犬に噛まれました。農作業をしていた男性の妻が発見し、追い払おうとした男性が顔の2箇所を深く噛まれました。4月20日〜21日かけて、このように相次いで11人の住民が犬に噛まれており、警戒してた警官が犬を射殺し処分しました。

 噛まれた住民は、狂犬病の予防接種と、狂犬病免疫グロブリンの接種をうけました。大部分はとくに問題が無かったのですが、最後に噛まれた男性は、労働節の連休あたりから発熱・頭痛などの症状のほか、音や光に敏感になり、咽が渇くが水が飲めないなど、狂犬病の症状として典型的な不安感・恐風症・恐水症・呼吸困難・痙攣などの症状が出て来ました。そして、5月5日には、舌が痺れはじめ、喋ることができなくなり、上海の長海病院に収容されました。ただ、本人の希望で再び崇明島に戻り、5月8日の未明に、突然、口から泡をふき、手足の痙攣がはじまり、飛び跳ねるなど精神錯乱の神経状態が出現し、数時間後に死亡しました。


 この死亡例の場合、致命傷となったのはやはり頭を噛まれたということです。しかも、唇の上(中医学でいうと人中穴あたり)と左側頬を噛まれたため、脳などの中枢神経に近かったのが問題となったと考えられます。また死亡した段階で、狂犬病免疫グロブリンの接種と、3回目のワクチン接種までは済ませていました。

 今回噛まれた11人は、何れも狂犬病対策は行われていました。一般に、犬に噛まれたあとは、ワクチン接種を5回受ける必要があります。接種日は、犬に噛まれた当日と3日、7日目、14日目、28日目です。また、狂犬病免疫グロブリンの接種も必要です。中国の場合、免疫グロブリンは20IU/kgのヒト抗狂犬病グロブリンもしくは40IU/kgの狂犬病血清が使われます。また、犬に噛まれたときの専門外来も設置されています。

 なお、詳しい情報は上海疾病予防コントロールセンター(CDC)が発表しています。こうした感染症疾患はHPから、情報を手に入れることができます。



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2012年05月12日 厄介な中国の水道水の7月1日問題
 私は中国国内を旅行するのが好きで、これまでにもいろいろな都市にいってきましたが、旅行したときに気になるのがやはり飲み水の問題。基本的に、旅行中はいつも上海で飲んでいるブランドのミネラルウオーターを買うか、クルマに初めから水を積んで出かけますが、歯磨きなどをすると地方によってかなり水の味が違うことに気がつきます。いったい、この水道水は本当に生活用水とつかってもいいのか?そんな疑問が出てくるのはある意味当然かと思います。

 きっかけは、2009年に行われた中国住建部の全国の水道水水質検査の結果です。4000箇所の県クラス以上の町に対し行われたのですが、なぜかこの結果が発表されていないのを中国のマスコミが報道したことからです。これに加えて、内部事情に詳しい人が、実は合格率は50%程度なのでは?ということを言い出し、話がどんどん大きくなってしまっています。その後、当局がこのときの調査の合格率が58.2%という数字を出してきました。その後、2011年の再調査で、合格率は83%に上昇し、改善されたとも。う〜ん、どうもよく分からない。


中国の水道水が抱える問題は、これまでも何度となく紹介されていますが、まずは水源の汚染が進んでいるという点。『東方早報』の報道では、水源の汚染率は50%にもなるそうです。また、地下水源も同様で、重金属による汚染リスクが高まっている。また、上海など大都市では浄水場の浄化装置は刷新されてきているが、地方ではまだまだで、有機化合物や重金属の心配がつきまとう。そして、住民のマンションの水槽や水道管の老化が進み、更新作業が追いついておらず、さらに汚染リスクが高まり、結果的に蛇口から直接水が飲める都市は中国ではいまだに1箇所もありません。必ず煮沸して微生物を殺菌する必要がありますし、浄化が不十分だったら、重金属や有機化合物が体内に取り込まれる可能性は十分にあります。

 中国では2012年7月1日から水道水の検査項目が、これまでの35項目から106項目に大幅に増加します。これにより、EUと同じぐらい厳しい基準になるのだそうですが、これも絵に描いた餅になる可能性があるというのが、広州の『羊城晩報』の指摘。大都市ではともかく、地方都市ではコストや検査能力の限界から、とても年何回もそうした検査を行うことができず、現行の規程では1年に1回〜2回検査したらいいことになっています。その結果、汚染が悪化する月には検査せず、合格率が高まるように工夫し、不合格なら公表しないというような作戦も十分に考えられるとしています。なにより、重点都市35箇所のうちでさえ、106項目の検査が出来るのは、たった40%というのですから、いろいろと実現が難しいのではと考えられます。


 同じく、広州の『羊城晩報』の報道では、2009年の調査で、中国の水道水が不合格になった主要な理由に、有機化合物の問題があったようです。その多くは、環境ホルモンと関連があり、人の免疫力を低下させたり、発育に影響を与えたりします。
 その中で、清華大学の専門家は、水道事業に関わる専門家ですら、飲用水の汚染に関する認識が低いと訴えていて、こうした影響は10〜20年と長期に蓄積されて発病するということに気がついていないというのです。水による有害物質の三分の一は口から入ってきて、三分の二は皮膚や呼吸からも吸収されます。よって、飲み水をミネラルウオーターに切り替えるだけではダメで、洗濯や入浴とも関係があります。近年、上海の小児科でも早熟の症例が相次いで発表されていたり、CKD(慢性腎臓病)が増えているのも、必ずどこかで関係があるはずです。毎日のことですから、生活用水・飲用水に関しては十分に配慮する必要があるのです。


 北京の場合、水源は地下水だそうですが、上海では近年、黄浦江から長江に切り替えるプロジェクトが進められています。その結果、新基準が施行される7月1日から、上海市中心エリアでは、すべてが長江の水が水源となります。また、金山区や奉賢区など一部の郊外のエリアを除いて、大部分の水道水は、高度浄水が行われていると言うことです。また、高度浄水が行われていない、一部の黄浦江を水源とした水道水も、7月1日からは活性炭を加える量を増やすなどして、水質改善に力をいれるということです。(上海の長江の水源は3箇所で、青草沙・陳行・東風西沙で、東風西沙は2014年完成予定。)『新聞晨報』の報道によると、現在の上海市内旧市街の古いアパートの水槽や水道管の改修工事は、全体の三分の一まで進んだと言うことです。

 いずれにしろ、2012年7月1日から中国の水道水の制度が変わるようです。これがいいように変化してくれればいいと願っています。

 ※中医学によるダイエットの問題を更新しました。


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2012年05月10日 上海のHSPA+&海外に憧れる上海の女の子
 診察室で仕事をしていたら、中国聯通からSMSが入ってきて、どうやら上海でも5月17日からHSPA+での通信が実現するようです。厳密な意味では4Gではないですが、理論上は最高速度は21Mにまで引き上げられ、iPhone 4Sならば、高速度を体験できるはずです。その場合、米国では4Gと表示されるのだそうですが、はたして上海では如何?すこし楽しみにしています。

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 さて、マスコミでも紹介された上海市社会科学院の『2012年上海市小中学生成長状況最新調査報告』を見ていたら、いまの上海の子供たちの色々興味深い考え方が見えてきました。

 まず、上海の子供たちは、今後も上海に残って生活・仕事をしたいと考えているのが全体の39.7%で最高。次に、海外に行きたいというのが22.6%、そして中国の他の都市へ行きたいというのが9.1%となっています。当然のことかもしれませんが、上海に残りたいと考えているのは、上海生まれの子供たちが最も多く、全体の46.6%となっています。また、上海生まれの子供たちは、地方出身者よりも海外で暮らしたいという夢を持っているようで、26.8%が海外を望み、一方で地方出身者の子供たちは18.3%でした。男女間では、女の子のほうが海外で暮らしたい希望が多いようです。この差は、上海生まれの子供たちのほうが、地方出身者よりも大きいようで、上海出身の女の子は、小さい頃から海外で暮らすことに憧れているようです。

 ただ、外からきた子供たちの多くは、将来も上海に残りたいという人が32.7%もいたのに対して、上海以外の都市にも行きたいという人も多く、全体の25%が中国のそのほかでの地域で暮らしたいと考えているとのこと。これは、海外で暮らしたいという18.3%と比較してもはるかに多いことが分かります。


 さて、上海の小中学生の成績についても興味深いレポートが出ていました。小学3年生から中学3年生までは、女子の成績が男子よりもよく、成績以外でも、心理的・社会的適応力に関してまでも女子のほうが男子よりも優れているという結果でした。上海では、伝統的に女性が強いというのは中国全土でも有名な話ですが、その素地は、ひょっとして子供時代からの教育とも関係があるのではないかと考えられますし、一方で、男子をどうやって育成するかという問題は、上海の今後の課題として考えられています。そんな背景から、男子校が上海市でもスタートしましたが、果たしてどういう成果があげられるのか楽しいです。

 大きくなってからの夢について、どういう仕事が選ばれているか見てみると、これも国情の違いをはっきりと表していました。職業としては科学者がトップで、続いて公務員などに相当する幹部、軍人と続きます。医師や弁護士になりたいという子供たちのランキングが低かったのは、今時の上海の世相を反映しているのかもしれませんね。

 今回の調査で特に話題となったのは、上海語を喋ることのできる小中学生は、たったの6割しかいなかったこと。おそらく、70年代や80年代に生まれた親の世代は普通語で育っており、上海語を使うチャンスが激減していることと関係があると思われます。うちも、妻が上海人ですが、娘の上海語の理解は怪しいです。
 ただ、方言というのは時代と共に変化するものですし、喋る人がいなければ淘汰されるのも仕方が無いことですが、文化としては残って欲しいなと思います。

 最後に、中医学とはすこし離れますが、上海市で実施されている予防接種のスケジュールをまとめてみました。詳しくは、こちらをご覧ください。

 


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2012年05月07日 シュウマイ&中国人観光客の1964億円の消費
初めて食べたタイプのシュウマイ
 先日、中医クリニックで中国人の患者さんから差し入れてがありました。

 頂いたのが、写真の手作りのシュウマイ。お酢をいれて食べるのだそうです。包み方も私の知らないタイプ。

 上海では、シュウマイと言えば餅米。広州にいくと、飲茶ででてくるシュウマイはお肉が入っていますが、頂いたシュウマイは豚肉意外にも、干しエビ( 蝦米)があったりと、味のコクが全然違うんですよね。美味しかったです。

 中国の地方都市には本当に美味しいものが残っています。それも、お店ではなくて家庭に!

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 5月7日、上海浦東にある出入境管理局に行きましたが、料金支払いの窓口では、外国人よりも明らかに中国人のほうが多かった。近年、海外に移民する人や香港・台湾に旅行する人たちが増えています。

 中国人の日本への旅行も復活してきていて、国土交通省観光庁のデータをみてみても、消費力が旺盛なのがよく分かります。

 2011年に日本に観光旅行に行った中国人の数は104万人で、韓国人の166万人に次ぐ第2位。また、こうしが外国人の日本での消費は、8135億元で、2010年の1兆1490億元と比較すると30%も減少しましたが、これは地震や原発事故の影響でしょう。このうち、中国人観光客の消費が1964億元なので、四分の一が中国人による消費ということになります。

 ただ、一人あたりの消費額となると、トップはロシアで、21.3万円。続いてオーストラリアの19.8万円、中国は第三位の18.8万元となるそうです。それでも、ロシア人の訪日観光客の数は3万人なので、いかに韓国・中国からの訪日観光客が多いことが分かります。

 中国からの観光客の特徴は、なんといっても初めて日本に来る人の割合が多いことで、全体の50%を占めています。そのため、目的地の大部分は東京・大阪・京都。これは、韓国や香港・台湾などの観光客の大部分がリピーターであるという傾向からも、今後、中国大陸からの観光客が日本の地方の観光地に行くことは想像に難くないでしょう。

 ただ、私も出張で中国人のツアーを使って欧米へ旅行をしたことがありますが、中国人ツアーの大部分は、中国人のネットワークで完結していることが多く、あまり外との繋がりがないやり方が殆どでした。このあたり、華人のやり方はすごい。

 一方で、旅行会社にいろいろ話を聞くと、富裕層で個人旅行をする場合、安いものより質を求める場合が多いようで、二極化がはっきりとしているのだそうです。そのあたりが、中国人観光客を呼び込むコツなのかもしれません。

 私個人的な考えでは、忙しない中国で日々生活していると、安らぎとくつろぎ、そして自然を感じることができる旅行が、今後日本で求められるように思います。そうすると、西日本と北海道の存在感が今後増してくるように思います。

【データ】国土交通省観光庁訪日外国人消費動向調査

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2012年05月06日 江蘇省如皋で食べた美味しいもの
 5月の労働節連休に、江蘇省如皋へクルマで旅行にいってきましたが、ふぐ以外にも、いろいろと美味しい料理がありました。

 長寿の街として有名な如皋は、食べ物の種類も豊富。河や海も近いので、魚もたくさんとれますし、落花生や大豆、芋類、大根、蕎麦なども収穫されます。今回は、如皋の老舗レストラン「老松林」(海陽路306号)で、地元の人が食べる如皋料理を楽しみました。

 まず、このあたりの料理の特徴は、どちらかというと薄味系です。また、大豆製品をよく使います。

 その代表が、この白蒲茶乾と乾絲。白蒲茶乾とは、その昔、清の乾隆帝が視察に来たときに献上された食べ物で、蘇州の豆腐乾に似たような料理。醤油と茴香・丁香などのスパイスで煮詰めたもので、板状になっています。

 乾絲は、揚州のものが有名ですが、こちらでも豆腐を細く切って麺のようにしたもので、口当たりがよく美味しかったです。

 私も、中国が長く、その大部分を長江デルタエリアで暮らしていて、様々な紅焼肉を食べた中で、今回食べた紅焼肉はちょっと変わっていました。

 まず、色が明るい。そして、味は甘系なのだけど、醤油ベースと言うより紹興酒の香りが。このあたり、昔から紹興酒が有名で、長寿とも関係があるのではないか?とも言われていますが、肉にしっかりと味がしみこんでいて結構クセになる味でした。

 獅子頭とよばれる肉団子もこのあたりでは有名。豚肉を脂身と一緒にミンチ状にして、卵の白身とまぜ、調味料のほかに、切り刻んだクログワイを入れていました。肉団子のシャリシャリ感は、このクログワイだったのですね。
 もちろん、紹興酒も忘れず。スープに肉汁が出て、こくのある味に仕上がっていました。

 麺類では、手延べ麺をいただきました。

 至ってシンプルで、超薄味の白湯に麺+野菜という組み合わせ。麺のコシがしっかりとあり、うちの娘は大好きでした。

 小吃(シャオチー)類では、蟹黄包がこのあたりの名物なのですが、残念ながら、朝食の時に全部売り切れてしまったそうで、今回は食べることが出来ませんでした。

 その代わり、如皋香腸をいただきました。如式香腸と呼ばれる中華ソーセージですが、清代から今まで100年の歴史があるのだそうです。中国国内の博覧会でも、金賞を幾度と受賞している名物です。肉の赤色と、脂肪分の白いところのコンビネーションが絶妙。江蘇省あたりのソーセージと四川省のソーセージ、さらに有名な広東省のソーセージ。みんな味付けの仕方が違うんですよね。

 中国国内の旅行が楽しいのは、こうした美味しい名物料理との出会いです。

 上海近郊でも、そのあたりでしか食べない現地の料理が沢山あり、ガイドブックにも載っていないことが多いので、レストランにはいって彼らが何を食べているのかを観察するのもまた楽しみの一つだと思います。


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2012年05月05日 上海の受動喫煙とニコチンの問題
 今日、5月5日は立夏でした。いよいよ夏モードです。
 というわけで、「今年の5月5日は立夏でした 肝→心へ」を書いてみました。中医学の養生も季節によって変わってきます。

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上海に限らず、中国にはヘビースモーカーが非常に多い。それを実感できるのはレストラン。

 タバコの煙で、体がすぐに燻されてしまい、そのまま家まで戻ると、部屋のなかでも匂うぐらい。部屋で匂っている状態も、妻や娘からすれば明らかによろしくありません。
 また、街を歩いていても、歩きタバコをしている人が非常に多いので、タバコの煙を感じないで上海の街の中心部を歩くことはめったにないと思います。

 ただ、上海の場合、2007年の調査では、上海女性の受動喫煙の場所では、50%が家の中でとなっており、さらに女性の60%以上が、家の中での受動喫煙の状態となっているのだそうです。仕事場や公共の場所より多いわけですね。

 上海市疾病予防コントロールセンターが、受動喫煙による新生児や妊婦に与える影響について、2011年1月から閔行区・嘉定区で大規模な調査を行っています。これまでの研究で、1週間に1日以上、1回につき15分以上、妊婦が受動喫煙をしていた場合、90%以上で羊水からニコチンが発見されたとのこと。その結果、妊娠高血圧症候群や、胎児の発育に異常を与え、神経系統の発育障害などが発生するリスクが高まります。

 また、胎児の成長に関しても、新生児の体重が、受動喫煙をしていなかった場合と比較して200〜500グラム少なかったり、奇形の発生率が3倍前後にまで高まることが知られています。厄介なのは、幼児期にも受動喫煙が続くと、4〜11歳になると、喘息・中耳炎・肺炎などになりやすくなるほか、白血病やリンパ腫などのリスクも高まり、知能にも影響を与えるようです。また、大人になっても肺癌になるリスクが受動喫煙をしていない場合と比較して3倍に高まるようです。

 上海市疾病予防コントロールセンターの研究は、2013年まで続けられるようですが、どのような結果になるのか、興味深いです。


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2012年05月04日 国家中医薬管理局の年間予算
 最近、日本のマスコミでもいろいろ取りあげられるようになった東洋医学。その中でも、中医学と漢方医学の話題は昨今いろいろとホットです。中国の中医学の世界進出やISO問題に関して、漢方の日本は戦々恐々としている感じもありますが、日本と根本的に違うのは、やはり予算のかけかただと思うんです。

 中国で、伝統医学を専門に扱う部門が北京の政府中央にあり、国家中医薬管理局と呼ばれています。医療・教育やライセンスの問題など行政の問題以外にも、中医学の普及や世界進出計画にも深く関わっています。中国衛生部の副部長(副大臣クラス)が局長になっているところからも、その力が強いことが分かります。

 さて、この部門の2012年度の予算が公表されました。報道によると予算規模は、50.67億元なので、日本円にすると約640億円。前年比12億元の増加だそうです。
 このうち、政府予算からは8.33億元あり、それ以外にも事業収入が41.36億元もあるそうです。一方で、支出では医療・衛生に関するものが44.2億元、科学技術費などが4.9億元となっています。

 先日、日本のNHKのクローズアップ現代でも、漢方薬に異変あり 伝統医療の派遣の争いで紹介されていました。最近、日本もやっと中国の伝統医学に関する戦略に気がつき始めたようですが、もっと早く取り組むべきだったと思います。まずは、こうした伝統医学に関する専門の機関を政府に作らなければいけません。今のままでは、窓口ですら十分にないのです。

 番組では、日本が世界でも珍しく西洋医学と漢方医学が両方使える制度だと紹介されていましたが、中国ではライセンス(西洋医・中医・中西医結合医等)が分かれていても、両方を併用した治療が行え、両者の垣根が日本ほど高くないことを付け加えておきます。だから、伝統医学系の中医薬大学出身の学生でも、比較的西洋医学の研究分野に携わっている人が多いのです。
 


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乳がんと野菜摂取の関係を更新しました。

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2012年05月03日 江蘇省如皋名物のフグ
河豚(フグ)の紅焼です
 今朝の上海、天気はいいのですが、遠くのビルをみるといつもよりかなりもやっています。空気の汚染度はよくないと思いますので、呼吸器が弱い方はご注意下さい。最近、また咽や鼻をやられて来られ方が多いです。

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 さて、上海では法律でフグの食用は禁止されていますが、江蘇省の如皋や江陰ではフグは名物料理の一つです。その昔、中医学の薬草研究の大家である李時珍もフグには「肝有毒、入口爛舌、入腹爛腸、籽尤甚・・・」と記述していますが、そのおいしさから、「死ぬに値する」という人も。近年では、様々な研究が進み、毒のないフグも中国で養殖されてきているようです。とはいえ、フグ中毒は毎年、中国で耳にすることがあります。

 フグは、海で生まれますが、淡水の河にもやってきます。そこで、海に面していない如皋でもフグが捕獲されるのでしょう。河豚と呼ばれるのは、ご存じの通り刺激を与えると子豚のように膨れるから。

 料理方法はいろいろ有るようですが、如皋の人たちは紅焼を好むそうなので、さっそくそうしてもらいました。スープにすることもあるそうです。ただ、1匹100元もする代物なので、スープでは少し勿体ないですよね。

 出てきた料理は、フグがしっかりとそのままになっていました。ポイントはフグの皮だそうで、皮は美味しいのですが、表面にチクチクとトゲがあるので、刺激のある面を内側にクルクルと巻いて食べます。紅焼の場合、火を入れる時間がポイントだそうです。

 私の地元、大阪でもてっちり・てっさは有名ですが、さすがに紅焼はしませんよね。なんとなくもったいないような気がします。でも、中華料理のフグも悪くない。全然臭みがなくて、ちょっととろけるような口当たりが美味しいように思いました。


今回は、如皋で地元料理を食べさせてくれる店をいろいろ探しましたが、最終的には海陽路306号にある老舗の「老松林」(電話 0513−87613391)に行きました。他にいい店が見つからなかったので、2回もここで食事をしました。ガイドブックには掲載されていないと思いますが、料理はかなり本格的で、地元の人が宴会などによく使っているようです。海陽路は、如皋の旧市街を南北に貫く幹線道路で、道路に面しているところに位置しています。駐車場も一応あるので、クルマでも大丈夫です。

 ところで、如皋では大豆料理をよく食べます。きっと長寿にも関係があるんだろうな、とか思っていたのですが、大豆に関して女性の更年期のホットフラッシュと豆乳の関係のような最近の研究を見つけましたので、ご紹介しました。

 如皋で見つけた美味しい料理に関しては、医食同源のコーナーでおいおい書いていきます。

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2012年05月02日 独創性の問題か〜江蘇省如皋の家具工房にて
 今回の江蘇省如皋訪問で訪れた家具工房。社長はもともと上海で家具を作っていて、いまふるさとの如皋にもどって工房で仕事をしています。この道25年のベテラン。家具と言っても、取り扱っているのは紅木(いわゆる紫檀)などを使った高級家具で、注文生産しかしていません。

 如皋市内の2階建ての住宅の庭先に工房があり、材料が処狭しと積まれていました。昔、中国南部でも豊富に手に入った紅木ですが、今では手に入れるのが難しく、アフリカやミャンマーなどから仕入れてくるのだそうです。

 注文家具だから、なにかと面倒かと思いきや、ぜんぜんそうではなく、作って欲しいデザインのアイデアやサンプルでもあればなんでも作ると言うこと。さっそく、簡単な手書きの図案をもとに、家具が作られていました。上海の某病院の院長宅に使われるものだそうです。

 上海まで運ぶのも大変では?とも思ったのですが、家具業界内でのトラックネットワークがあるので、ついでに運んであげるという嬉しい返事。なるほど、道理で上海からの注文が多いわけです。

 ただ、ここでも案の定、人手不足。以前は、職人さんが仕事を見つけるのに、社長にお土産をもってきて求職していたのが、いまや逆で、社長から色々とお願いしないといけないのだそうです。さらに、職人の高齢化が進んでいて、今の職人さんが病気にでもなったら大変だと言っていました。若い人が木工に携わらず、工賃はあがる一方で、同業者の廃業も多いのだそうです。

 一方で、商売はかなり繁盛。もう今年中の注文は確保できているようですが、いま注文をすると10月頃には完成できるということでした。

 冗談に、もっと規模を大きく出来るんでは?と社長に話をしていたのですが、あまりその気はないみたい。先日も、日本人から合資でやらないか?という話が来たのだそうですが、日本人とは商売したくないと言っていました。納期がうるさくて、話が細かい上に、値段が安すぎて、話にならないということでした。

 むしろ、今のように小さくても自分のペースで仕事ができるので十分だと言うことでした。まあ、今の日本の状況を考えたら、納得できますよね。今日も、社長は近くの河へ魚釣りにいっていて、私からの電話で急いで戻ってきてくれたのだそうです。バケツには、今晩の魚が泳いでいました。

 結局、中国ではこんな小さな工房でも、そこそこの注文が来て、ご飯を食べていけます。なにもそんなアセクセする必要はないし、だから上海から故郷の如皋へ戻ってきたということです。あえて、足りないといえば独創性ではないかと思います。大抵の作品は、人が作ったものの写しなどが多く、オリジナルであっと言わせるものは少ない。

 世界の工場といわれている中国なので、物作りに関するノウハウは捜せば大抵は見つかります。だけど、それをどうやって活用して、さらにいい物を作るのか?という話になるとまだもう少し時間がかかるように思います。

 というわけで、我が家の食卓も既製品が手に入るかと思えばそう簡単ではないようで、もう少しアイデアを練ってから図面を渡そうと思っています。確かに、何かを作るとなったら、中国ほど便利な場所はないのですから、それを活用しないといけませんね。逆に、既製品でいいものに巡りあえないのも、何となく納得できます。そして、何でも簡単に作ってしまうから、知的財産権の問題が出てきてしまうのでしょうね。

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