2010年03月16日 福州・北京出張へ
今日の午前便で、福州へ飛ぶ。
たまたま、今日3月16日は、上海虹橋空港新第2ターミナルの開港日でもある。縁起がいいかどうか分からないが、初日の利用になる。これからは、春秋航空を除く全国内便は、新ターミナルへ移管し、日本便や韓国便は旧第1ターミナルに残る。
福州では、某日系メーカーA社の人事刷新プロジェクトに着手する。
A社では、規律違反やサボりが日常茶飯事、また従業員が違反行為を恥と見ていないのが一番の問題。作業中に職場離脱。どこに行っていたかと詰問すると、トイレ!トイレはやたら長く、中で新聞を読んで煙草吸って寛いでいる。しかたなく、トイレの時間まで管理する。まさにいたちごっこ。制度の実施に大きな支障が出ている。それがゆえに、労働生産性が高くない。たとえば、在庫管理一つとってみても、せっかく管理ソフトを導入したものの、まったく機能しない。勝手に部品を使ったりして、気が付いたら、過剰在庫と欠品が続出・・・
このような現場では、制度をいくら作っても無駄。ココロの問題の解決が先決だ。ココロの問題は一番大変な問題だ。場合によって、大手術が必要。根こそぎから変えるとなると、日本本社のけん制がまた新たな問題になるかもしれない。四方八方に問題だらけ。
福州で1泊して、打ち合わせを終えると、福州から北京へ飛ぶ。定例コンサル出張で、顧客数社のスポット相談が終わると、北京事務所の要員選抜面接が待っている。
そして、金曜の早朝便で上海へ戻る。来週は、顧客の労働仲裁で弁護士と広州へ出廷出張・・・
過密スケジュールで、パソコンを持参しないことにした。ブログ更新も数日中止する。すこしお待ちください。
2010年03月15日 同業者の悪口を言いたくないが、プロのモラルだけはもってほしい
先週金曜日の夕方、面談を予約していたA社のK総経理、人事部長課長ら3人が来社した。
「数年前、会社を立ち上げた当時、某日系コンサルティング会社B社に作ってもらった人事制度は機能しない。ここ2~3年に、いろんな問題が発生し、ストライキにも遭遇した。従業員が問題を起こして、いざ処罰しようとすると、就業規則に該当処罰条文が見当たらない・・・」
同じ問題に直面している会社は何もこのA社だけではない。このようなことは、月に何回も何回も企業から聞かされている。
「立花先生は凄い。セミナーや面談でおっしゃっている問題点やトラブル事例は、ずばり、うちの会社はほとんど当てはまる」
私は超能力の予見者でも何でもない。ただ、日々現場でよく直面する問題点を羅列するだけだった。それだけ企業の皆さんが共通の問題点を抱えているからだ。
同業者として、他のコンサルティング会社や弁護士事務所が作った制度や契約書を貶すことは決してしたくない。しかし、最近、正直言って腹が立つことがしばしばある。初歩的なミス、明らかな違法条項、会社の権利の放棄や余計な義務の引き受けなどなどが目立つ。ずさんな代物は多々ある。明らかにどこかインターネット上に氾濫するモデル雛形を引っ張ってきたものも散見される。無知、無責任極まりない。勉強している痕跡がないから、腹が立つ。
中に立派なものもある。立派過ぎて、泥臭い中国の現場で実施できないとなると、また問題だ。とにかく、人事労務現場の問題は多すぎる。
少し前の話だが、別の日系企業C社がDコンサル会社の提案した制度を採用するつもりで、私のところに、セカンドオピニオンを求めてきた。案の定、問題だらけ。私は、こう提案した。「Dコンサル会社の担当者を呼んで、合同会議をやりましょう。条文一条一条、なぜこのように作ったのか、まず主旨を聞いたうえで、私が問題点を提示し、一緒に議論して、先方の意見と私の意見、それぞれ根拠を出して、客観的に、論理的に全員が納得するまで議論して、案を固めましょう」
しかし、Dコンサル会社に断られた。お客様にとって、一番利益になる提案をなぜ断るのか。私が提出した制度案は、他社や他の専門家の批判を喜んで受けたいと思っている。私のミスであれば、「ごめんなさい」と、速やかに訂正する。顧客企業の利益だけでなく、自分の利益にもなる。自分のミスを一つでも多く指摘され、改正する機会に恵まれれば、素晴らしい利益ではないか。 学界なら、学会というものがあって、研究者や学者が自分の観点と根拠を出し合って議論する。議論があってこその進歩だ。実務界になると、一気に閉鎖的になってしまう。
何とか、この局面を打開したい。
2010年03月14日 サラリーマンは奴隷ですか?
「あらゆる人間は、いかなる時代におけるのと同じく、現在でも奴隷と自由人に分かれる。自分の一日の三分の二を自己のために持っていない者は奴隷である」 ニーチェはこういう。 最近、日本国内の行き詰まりで、空前の起業ブームを迎えている。特に、中国に来て起業したいという人がどんどん増えている。社長になってどこが変わったかときくと、「自由になった」とほぼ全員が口をそろえる。 「自由」とは、おそらく二つの意味が含まれている。一つは、物事を自分の裁量で決められるという「自由」。もう一つは、時間を自由に支配できることだ。 時間の自由支配について、社長になれば、一日すべての時間を自分のために持つことができる。紛れもない「自由人」だ。では、サラリーマンはどうだろうか。一日の三分の二というと、16時間。会社の仕事は残業ゼロにしても8時間、通勤や雑務を入れると10時間は超える。睡眠の時間は、生命維持のためであって、果たして「自分のため」といえるのだろうか。どう考えても、サラリーマンは、「三分の二」の達成は難しい。すると、サラリーマンは全員、「奴隷」になるのか? でも、よく考えると、私自身のサラリーマン時代は、「奴隷」の感覚を一度も持ったことがない。「奴隷」になりかけるとき、転職や脱サラに踏み切ったのだった。サラリーマンは、形上会社のために働いても、絶えず自分の成長につながっていれば、決して「奴隷」ではないはずだ。 「老板のために働いている。私たちは奴隷のようなものだ」という中国人従業員もいるが、私はこう答える。 「いや、あなたは奴隷じゃない。本物の奴隷は、監禁され、労働を強要される。あなたは、いつでも脱走できる。だから、奴隷じゃない」 もし、それでも奴隷だというと、いまの中国の労働法令は、まさに奴隷に対しての「奴隷逃走自由法」である一方、企業に対する「奴隷追い出し禁止令」になる。 本物の奴隷は壮絶な奴隷史を書き上げたが、奴隷と自称しても脱走しない「偽奴隷」は、歴史に見捨てられる。 「逃走権」があっても逃げない「奴隷」の労働者、そして、労働者を「奴隷化」する企業、これこそ、「奴隷史」よりも悲惨な歴史ではないか。
2010年03月13日 「ごめんなさい」で感動、動物が人間を変える
金曜日、珍しく16時のアポまで、予定が入っていない。そこで、「有給」をもらって向かったのは、「2010年上海ペットフェア」(上海マート、3月14日まで開催中)。 私自身も、愛犬を飼っているので、興味があったのだが、上海のペット業界の現状を一目で見てみようと足を運んだ。 びっくり。細々と小規模の展示会と思ったら大違い。広い会場に出展ブースがぎっしり。ペットフードや用具、アクセサリーから、ペット医療・疾病予防、美容まで、一通り揃っている。催し物としては、ペット美容コンテストや愛犬競走など盛りだくさん。 来場者数も凄い。愛犬を連れ込んでいる人も多い。妙なことに気づいた。来場者が多いと、ぶつかったりする。 「ごめんなさい。私は気が付きませんんで、大丈夫ですか」 いつもと違う。街の中で人と肩がぶつかっても「どこ見て歩いてんだよ」が普通だが、ここ、ペットフェアの場内で3回も「身体接触事故」があったが、どの相手も笑顔ですぐに謝る。あまりの恐縮と感動で、私からは言葉も出ないのを見て、「大丈夫ですか」と相手から念を押される一幕も。 動物を飼っていると、癒されるだけでなく、「愛」で心が和むと聞いたことがあるが、そうならば、この中国では、是非、ペット飼育キャンペーンを推進すべし。
2010年03月12日 【セミナー】水野・立花合同セミナー(広州4/21)
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2010年03月11日 人件費コスト上昇、今年は本格的に深刻化するだろう
私は、毎日中国紙で「第一財経日報」と「人民日報」(あとは香港紙になるが)を読み、インターネットでもニュースやブログをチェックしているが、ここ1ヶ月大きな異変を感じた。
「所得分配の改革」や「賃金引上げ」の文字は出ない日がないほど、頻繁に紙面を飾るようになった。数日前に、浙江省も最低賃金の引き上げを発表した。昨年据え置きだったため、今年はどこも二段飛びで、大幅に引き上げている。
それでも、物足りない。地方平均賃金の50%程度まで最低賃金を引き上げようとの提案も上がっているようだ。上海あたりの社会平均賃金が3000元強であれば、最低賃金は1500元が目安になるだろう。
一連の数字は、ちゃんと検証しているのか、根拠はどこにあるのかというと、かなり怪しい。官が頭をたたいて(中国語で「拍脳袋」という)決めているのではないか。
労働集約型企業は、かなり厳しくなるだろう。ベトナム行きか思い切って労働生産性を向上させるか、選択を迫られている。
一方賃上げには、労働組合の出番が多くなる。団体交渉やら何やら、少し元気になった中国はすぐにあれこれやりだす。よく考えると、家庭も国も一緒、金がないとき、団結一致で文句を言わないが、少しでも豊かになると、ガタガタとくる。
とても、残念だ。
2010年03月11日 【セミナー】賃金法時代突入!人事三大制度研修会(東京4/15
「収入分配改革」、「賃金引上げ」・・・ この1ヶ月、中国のどの新聞を手にしても、このような見出しが躍る。2008年の「労働契約法」は、大地震だった。いまは、その余震が絶えずに被害を拡げながらも、気が付けば、大きな津波がもうそこまで来ている。このような2010年ですが、経済回復や受注増で我が春を謳歌する暇はありますか? 中国の異変、中国の最前線で何が起きているのか?何が起きようとしているのか?賃金法時代に全面突入!2010年中国人事労務現場津波予報を、日本の各本社にお届けします。日本本社中国事業部ご担当役員・幹部向け、分かりやすく、戦略目線の人事制度導入・運用実務解説■※■※■※■※■※■※■※■※■※■※■※■※■※■※■※■※■※■※■※■※■※■※■※■※■※■※■※■※■※■ ★ 『 中 国 賃 金 法 時 代 突 入 !日 本 企 業 人 事 三 大 制 度 研 修 会 』 ★ ~最新法令政策・法案化中の「賃金法」の概要と対策・三大人事制度~(1日研修) ◆ <東京会場> 4月15日(木) 9:00~17:30 ◆ ■※■※■※■※■※■※■※■※■※■※■※■※■※■※■※■※■※■※■※■※■※■※■※■※■※■※■※■※■※■ 日本本社海外・中国室、経営企画室、法務・コンプライアンス、人事担当役員・責任者様向けのセミナーです。昨年後半から、中国国内の経済回復に伴い、労働法令政策及び法の解釈・運用に一連の変化が見られました。「労働契約法」下の解雇難に苦しむ企業にとって唯一の活路である賃金制度にも、いま、総攻撃の包囲網が張られようとしています。賃金法の法案化は、いよいよ本格化しています。経済成長や企業の収益に連動した賃上げメカニズムの確保がいざ法的義務化されれば、在中企業の人件費コストのみならず人事制度ないし人事戦略全体には、計り知れない影響が及びます。賃金法とは何か、予測ベースで(研修会開催時公布済の場合、法律内容を)分かりやすく解説します。そして、一連の新労働法令と政策への対応に残される最後且つ唯一の道である三大人事制度(職位任期、賃金福利と業績考課制度)のメカニズムを詳しく説き、基本的な実務運用を指導します。是非、奮ってご参加賜りますようお願い申し上げます。 ■【予定主要内容】:≪午前の部≫ ◆ 2009年中国労働法令政策と現場情況の総括 <2010年中国人事労務現場津波予報> ◆ 中国労働法令の「不思議」とコンプライアンスの基本コンセプト ◆ 「労働契約法」の最新司法解釈と運用ポイント ◆ 新法下の人事新陳代謝機能障害メカニズム ◆ 「ぶら下がり」「不正」「問題解決力欠如」「権利主張」「解雇難」「人材流失」・・・問題の根源 ◆ 「自律力・自浄力」~毛沢東思想の思考回路に基づく「従業員による従業員の管理モデル」 ◆ 三大人事制度の基本コンセプト ◆ 解雇難に対抗する職位任期制度のメカニズム ≪午後の部≫ ◆ 「賃金法」の立法背景と中国法の賃金規制 ◆ 従業員の正常な賃上げメカニズムとは? ◆ 「同一労働同一賃金」原則の理解と適法性 ◆ 賃金は誰が決めるのか、集団交渉制度とは? ◆ 企業賃金制度によく見られる問題点と改善策 ◆ 賃金構造の設計上の適法性と合理性 ◆ 組織構造・等級職位編成案の設計と運用 ◆ 休暇・残業・休出・医療期間賃金の規定と運用 ◆ 残業代の請求時効、立証責任と訴訟対策 ◆ 労働紛争トラブルへの対策と処理 ◆ 質疑応答・事後回答質問受付 ■【講 師】: 立花 聡 エリス・コンサルティング 総代表兼首席コンサルタント 華東政法大学 法学博士研究生 (中国労働法、経済法)、復旦大学法学修士、中欧国際工商学院経営学修士(MBA) ■【特別顧問】: 董 保華 教授・律師(弁護士)、エリス・コンサルティング 首席法律顧問 ■【講師補佐】: 周 淳 律師(弁護士)、エリス・コンサルティング 法律顧問 ■【受講対象者】: 海外・中国事業部/中国室 担当役員・幹部等 ■【日時・会場】:<東京会場> 2010年4月15日(木) 9:00 ~ 17:30 (8:30開場) 東京都港区赤坂1‐12‐32 アーク森ビル12階 会議室 ■【使用言語】: 日本語 ■【定 員】: 東京会場30名様予定。 受付順満席になり次第締め切らせていただきます。 ■【受講料】(資料費込・昼食込): □ 一般参加・・・・・・・・・・・・・・・・・・・50,000円/名(税込) □ ERIS顧問会員の日本本社様・・・33,000円/名(税込) □ ERIS顧問会員様・・・・・・・・・・・・・無料 (2人目より 33,000円/名(税込)) □ 上記所属が分かりません・・・・・・・当社スタッフがご案内致します ■【参加申込】: 下記申込書にご記入のうえ、 こちらまでご返信ください。 ■【お問い合わせ】: 電話:86-21-6249-4882 メール (日本語) ■■■■■■■■■■ ERISセミナー参加申込書 ■■■■■■■■■■参加申込書の 返信先(1)会社名:____________________ (2)部署名:___________ (3)お名前:___________ (4)E-mail:___________ (5)TEL:___________ (6)FAX:___________ (7)住所:__________________________ (8)「中国賃金法時代突入!日本企業人事三大制度研修会」(1日研修)への参加を申し込みます。 □ 東京会場 4月15日(木) 9:00~17:30 (9)ご参加者:__名 ① お名前:_____ 役職:___ E-mail:________ ② お名前:_____ 役職:___ E-mail:________ (10)受講料(資料込・昼食込): □ 一般参加・・・・・・・・・・・・・・・・・・・50,000円/名(税込) □ ERIS顧問会員の日本本社様・・・33,000円/名(税込) □ ERIS顧問会員様・・・・・・・・・・・・・無料 (2人目より 33,000円/名(税込)) □ 上記所属が分かりません・・・・・・・当社スタッフがご案内致します 上記 □ いずれかをご選択ください。折り返し請求書送付をもって振込先をご案内致します。セミナー・研修会開催7日前以降のキャンセルは、受講料をお返しできません (ご参加者の変更可)。 (11)ご質問記入欄:__________________ ※ なるべく具体的にご記入ください。ご質問は、当日まとめて講師から貴社名匿名にてご回答いたします。
2010年03月10日 松下北京篭城事件、従業員400名が工場を包囲
「補償が少ない」
協議離職に不満が噴出。抗議に乗り出した400余名の松下の従業員が工場前に集結してはゲートを封鎖し、日本人管理職の外出を妨害する。(訳注:中国では、「Panasonic」ではなく、一般に「松下」と呼んでいるため、本文もそのまま「松下」と称する)
1月27日付、「新京報」が「松下北京篭城事件」を報じた。
松下中国は、「経済補償は法律の規定に合致し、従業員とさらに対話を続ける」と回答。
天竺空港開発区A区に位置する松下北京公司のゲートには、「1年につき2万元補償せよ」とのスローガンが張り出されている。
張さんは17歳のとき工場に入って、勤続10年だ。「私は、青春をすべてこの工場に費やした。要らないと言ったら要らない(酷いじゃないか)」。10日前に、会社閉鎖の情報を聞きつけたが、前日から、上司から呼び出しを受け、離職補償のことで話があったという。
会社が提示した経済補償は、勤続年数×(個人月平均賃金+工場従業員月平均賃金)、そのうえ、11600元の補償を支払うというものだ。これは、複数のワーカーから聞いた会社の補償スキームだ。「この基準でいくと、多くて5万元の補償しかもらえない」とワーカーが不満を訴える。 しかし、中間管理職の補償金は、一般従業員の数倍にも上る。それで、ワーカーの不満がさらに募る一方だ。彼らは、「毎年2万元×勤続年数」の補償基準を要求している。
補償の基準に不満を示し、抗議する400名のワーカーが職場を離れ、工場前に集結する事態にまで発展した。
メディアに対して、松下中国の責任者は、「注文の減少で、会社は離職志願者の募集に乗り出し、協議解除のスキームを提示した」と事件の経緯を説明し、補償は法律の規定に合致し、そのうえにさらに一定額の上乗せ特別補償まで加算したと正当性を強調した。
=======以上報道抄訳======== 情報が断片的で、工場の完全閉鎖なのか一部人員整理なのか、不明だ(どうやら後者のようだ)が、いずれにせよ、記事を読む限り、松下は法律を守っているように見える。 (1) 工場閉鎖(会社解散)の場合、労働契約の法定終了となり、「労働契約法」44条(5)項、46条(6)項、47条等の適用で、基本的に勤続1年に1か月の補償が法定基準である。 (2) 工場存続ベースでの人員整理であれば、「労働契約法」41条、46条(4)項、47条等の適用でそれも違法性が見当たらない。 (3) しかも、「協議解除」ということで、つまり「双方合意による労働契約の解除」である。その場合、会社に脅迫や詐欺等の行為がなければ、双方の意思自治に委ねられている。条件が良くないと思えば、労働者は協議解除そのもの(会社の提案)を拒否すれば済むことだ。それだけでなく、会社が提示した経済補償、「勤続年数×(個人月平均賃金+工場従業員月平均賃金)+11600元」ははるかに法定基準を超えている。好条件にもかかわらず、なぜ集団抗議する必要があるのか。誠に不思議である。 その「不思議」は、実は不思議ではない。松下の日本式の「常識」と中国の「常識」が激突したから、篭城事件に発展したのだ。 この事件は、5月に予定される「最新労働紛争事例・判例学習セミナー」で、詳しく解説、分析し、紛争対策を提示する。 乞うご期待。
2010年03月09日 北京定例出張訪問のご案内(3/18~3/19)
北京事務所の立ち上げと共に、私の定例北京出張コンサルティングをスタートします。基本的に、月例として毎月一回、北京に2~3日滞在します。 第1回目の 北京出張相談は、 3月18日(木)~3月19日(金)にて実施します。 面談ご希望の企業は、 弊社事務局までご予約ください。スケジュール上、前後の予定によって、「ご来社面談(弊社北京事務所)」、または「訪問面談(貴社訪問)」のいずれかになりますので、ご了承ください。予約は、顧問会員企業優先となります。スポット相談の費用は、以下のとおりです。 ● 弊社顧問会員企業様・・・無料 (所定契約時間内) ● その他の企業様・・・・・2000元/時間 上海以外の都市では、このような小型セミナーを開催します (写真は、3月3日北京セミナー会場) |
なお、広州拠点の立ち上げはないかとのご要望やお問い合わせもございますが、人的資源の限界で、拠点設置の予定はございません。北京と上海以外の都市(東京、広州)は、年1~2回のセミナー訪問を実施します。次回のセミナー出張は、以下の予定です。 東京 2010年4月14日(水)~4月15日(木) 広州 2010年4月21日(水)~4月22日(木) よろしくお願いいたします。
2010年03月08日 人件費コスト増は不可避か?2010年以降の中国
先週、私は北京出張中に大変な交通渋滞に何度も巻き込まれた。それは、年一度の「両会」の開催にぶつかったからだ。中国では毎年3月上旬、全国人民代表大会と政治協商会議の全国委員会会議がほぼ同時に開催する。日本の衆議院と参議院に似ている面もあり、二つの会を合わせて「両会」と呼ばれている。 全国政協委員会の賈慶林主席は常務委員会活動報告を行った。長い、長いこの報告だが、ざっと読んで、注目点をピックアップしてみた。 何といっても「貧富の格差の解消」。賈慶林主席の活動報告だけではない。政協委員の中からも、貧富問題が取り上げられ、多数の提案が上がっているようだ。社会保険や義務教育といった再分配、または慈善性社会公益分配制度の構築は、取り上げられているが、いずれも中長期的に大量な社会的資源の投入を必要とするものだ。足元を見れば、労働賃金収入の引き上げがもっとも手っ取り早い。つまり、第一次分配だ。そこでまず着目されるのは、労働賃金引き上げの法制度化にほかならない。 昨年後半から、私は顧客企業にまず、賃金法時代に備えた経営戦略を提案しはじめた。今年に入ってから、この公開ブログでも、 「賃金法時代の到来、賃金引上げで企業経営への影響は?」を書いた。また、実務の話として、2009年末にもすでに早々と 「賃金法セミナー」を企画し、今年2月初旬、そして、先週3月初旬相次いで上海と北京で開催した。 コンサルティング会社の中でも、中国一の早い対応ではないかと思う。 新法や政策の変動に、日系企業はどう対応するか。概ね以下4通りだ。 タイプ1、法律が出てから、対応する。 タイプ2、法律が出るまでに、対応する。 タイプ3、法律が出なければ、対応しない。 タイプ4、法律が出なくても、対応する。 日系企業の大多数は、タイプ1ではないだろうか。それでは、遅い。というよりも、法律や政策に振り回されてへとへとになる。だったら、法律が出るまでに対策を考え、体制を整えようではないか。しかも、この賃金法の場合、「労働契約法」等一連の新労働法令に密接な関係をもっているし、むしろ、労働法令の対応とぴったり重なっている。だから、法律が出なくても対応するのが筋である。 今回の結果、賃金法セミナーは上海3会場、北京1会場の全会場満席(一部定員超過)、合計170名近くの参加者を迎えることができた。日系企業はコンプライアンス意識だけでなく、自己防衛意識、リスク管理意識といった戦略的レベルの目線を徐々にもつようになったのである。とても、喜ばしいことだ。
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