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立花聡の雑記帳

ネクタイからビーチサンダル、コーヒー打ち合わせから酒浸りのドンちゃん騒ぎ・・・

プロフィール


立花 聡 (Satoshi Tachibana)

 1964年生まれ。華僑系日本人。早稲田大学卒。トステム東京本社勤務を経て、英ロイター通信社に入社。1994年から6年間、ロイター中国・東アジア日系市場統括マネージャーとして、上海と香港に駐在。2000年ロイター退職後、エリス・コンサルティングを創設、代表兼首席コンサルタントを務め、現在に至る。
 2007年中欧国際工商学院(China Europe International Business School)経営学修士号(MBA)取得、2008年復旦大学法学修士号取得、現在華東政法大学法学博士課程在籍中。

【講演・セミナー】: 2007年より1200時間超、延べ受講者数1万人突破
【著書】: 「最新実務解説 中国労働契約法」(中央経済社、董保華・立花聡著)、「実務対応 中国の人事労務制度」(中央経済社、2012年出版予定)
【研究・担当分野】: 中国労働法・会社法・知財法、人的資源・組織行動、国際比較経営等
【使用言語】: 日本語、中国語、英語
【趣味】: 読書、旅行(43ヶ国・地域歴遊)、美食(A級・B級)、酒、葉巻、クラシック音楽とオペラ鑑賞、海を見てぼーっとすること。

【事務所】: 上海エリス・コンサルティング有限公司

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2009年10月01日 花火を作った人が打ち上げるのを見られる日、幸せな中国へ
 国慶節だ。新中国成立60周年を祝う国慶節祝賀式典、閲兵式が、北京天安門広場で盛大に行われる。中国が豊かになって、強くになったことをとても嬉しく思う。

 先日、北京出張の帰り、ちょうど空港に向かう途中、国慶節式典の最終リハーサルの交通規制で大渋滞に巻き込まれた。そこで、タクシーの運転手が巻き舌の北京弁で、ぶつぶつとつぶやいた。

 「式典のリハーサル、もう、何回もやってる。毎回毎回、交通規制。まったく商売にならない。それよりも、20~30万人の規模でしょう、一人に1本のミネラルウォーターを支給するだけで、数十万元のコストでしょう。われわれ、10元を稼ぐだけでも、必死なんです。中国は、いつか、知らないうちに金持ちになっちゃったんですかね・・・」

 「でも、国民はみんな喜んでいるじゃないですか?中国は強くなったし、みんな胸を張って、式典を見つめて誇りに思っているでしょう。それだけでも価値があると思いませんか。少し不便があっても、我慢しないと・・・」私は、老婆心。

 「誇りに思いますよ。私だって誇りに思いますよ。けど、10月2日になったら、すべて平常に戻るんでしょう。何か変ったか?何も変わりませんよ・・・」

 私は、返す言葉がなくなった。

 国慶節の式典と閲兵式、全部でいくらかかるのだろうか。公表されない。情報開示がない。もちろん、予算の国会承認もない。飛行機を飛ばし、戦車を走らせ、数十万人の総動員・・・そして、目立たないところ、閲兵式の戦車の重圧に耐えられるように、わざわざ道路と地下道の補強工事までやったらしい。どれもお金がかかる。ざっと計算して、数十億元単位ではないかと思う。

 農村部で希望小学校を1校建てるには、10~30万元かかるそうだ。国慶節式典の費用で、中国に数千から1万校の希望小学校を建てられる。

学校に行きたい!
 「我要上学」、学校に行きたい子供たち、学費を払えない子供たち、中国の中、どのくらいいるのだろうか。学校に行けなかったら、市場経済の世界では、終生貧困暮らしの判決も同然だ。その子供たち、そして、彼たちの親たちは、国慶節式典の喜びを分かち合うことができるのだろうか。

 国を挙げての盛典、打ち上げられる花火は、どこかの山奥の工場で、貧困な農民たちがコツコツと一つ一つ作り上げたのかもしれない。自分の作った花火が繁栄祖国の夜空に華やかに打ち上げられる光景を、一目で見られる日はいつ来るか。

 GDPだけではない。中国国民の平均幸福度も向上してほしい。腐敗がもっと減り、富の分配がもっと公正に、競争がもっと公平に、法治がもっと浸透し、空がもっと青く、川がもっときれいに、ビルも橋ももっと頑丈になり、喧嘩がもっと減り、笑顔がもっと増え、子供たちが全員学校に行き、そして、花火を作った人が打ち上げるのを見られる、そのような日が、早く到来するよう願ってやまない。

皆さん、もっと多くの中国人が幸福を実感できる中国になってほしいと思いませんか?「YES」ならクリックをどうぞ






■コメント

【立花】りちゃさん、「考える」力と「従う」本能
投稿者:立花 聡 2009年10月01日 投稿番号:24356

 おっしゃることはとても考えさせられます。学校に行けない当事者であっても、学校に行けない根源的な理由に気づかない。それは、「民」にとっても、「官」にとっても、都合がよいのか、悪いのか、13億人の国民ですので、「考える」事よりも、「従う」ことがはるかに重要でしょう。
 日本でも、いままで、エリート官僚任せで、国民は「考える」力が求められていませんでした。むしろ、不必要でした。
 ご指摘のとおり、国民一人ひとり社会参加を意識しはじめると、だいぶ複雑になるでしょうね。だから、「考える」力を育てるのがアメリカの教育で、アジアは、やはり、一つの正解に「従う」本能を重視します。複眼的な中国人は、非常に少ないのも教育の問題なんでしょう。
 まだ、まだ、時間がかかりますね。

国慶節快楽!
投稿者:りちゃ 2009年10月01日 投稿番号:24352

今年の国慶節、雰囲気違いますね。でも1-4休み、5から営業なんて会社もいくつかあって、経営者はいかに労働者を働かせるか、ということにやはり知恵を働かせるんでしょうね。一般人民(まあ、シンセンなんかの一般層といえば、食べるには困っていない、でもそれほど贅沢はできない、という感じでしょうか)は、テレビで式典なり祭典なりを見て、結構嬉しいのでは? 学校に行けない当事者であっても、学校に行けない根源的な理由に気づくまでは、政府に反感を持たないような気がします。基本的な教育さえ受けられない場合、武器となるのは、誰もが心に持つ心性だけだと思います。誰にも侵されない心。それを武器に、本当の意味で、国慶節快楽! いや、だいたい「国」と言った時点で、国側の目的は打算的です。そこに住み、税金を払い、皆で社会に参加する、という意識にたどり着くまで、まだ随分かかるんでしょうね。

立花さんのこの記事はこれまでの内でも特に名文だと思います。これからもまっすぐに進んでください。


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